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第17話  

「うそだ!」

聡は目を赤くし、葵の首を掴んだ。

「ありえない!彼女はあんなに弱くて、歩くだけでもすぐに転んでしまうんだぞ!どうやって俺を山から背負って運び出せるんだ!」

「ゴホゴホゴホ……あなたは狂っている!離せ!」

葵は力強く聡を突き飛ばした。

「聡、もう一つ教えてあげるよ!あの時お前が受けた腎臓移植手術、その腎臓は彼女のものだったんだ!私は彼女が先輩に頼んでいるのを聞いた。お前が一生罪悪感を抱かないように、彼女はこのことを一生秘密にしておくつもりだったんだよ!」

「ハハハ、あの愚かな女!男のためにこんなに尽くすなんて!死んで当然だ!ハハハハハ!」

「黙れ!黙れって言ってるんだ」

その日、聡はまるで狂ったようだった。

最終的に警察が到着し、ようやく葵を彼の手から救い出した。

しかし警察署で、彼はついに私の死を確認した。

「まだ川上さんの遺体は発見されていませんが、現場に大量の血痕が見つかりました。遺体が分割された疑いがあります。」

「遺体の分割?」

「はい。雪の中で切断された手首と掌は見つかりましたが、胴体と頭部はまだ発見されていません」

「……そんな、ありえない……彼女じゃない、絶対に彼女じゃない……あなたたち、きっと何か間違ってるんだ」

「東野さん、現実を受け入れてください。川上さんの件は非常に残念ですが、今最も重要なのは犯人を捕まえることです。東野さん、川上さんと最後に連絡を取ったのはいつですか?何か異常なことはありましたか?」

「異常?」

聡は震えながら携帯を取り出した。

彼はlineではなく、

通話履歴を開いた。

しばらくして、彼の顔色が急に青ざめた。

「星ちゃん、お兄ちゃんは忙しいんだ。学校や仕事中は電話に出られないよ」

「でも、お兄ちゃんに会いたくなったらどうするの?」

「それじゃあ、約束しよう。1回の電話は、お兄ちゃんに会いたくなったっていうサイン。2回目の電話は、家に帰ってご飯を食べようっていう意味だよ」

「じゃあ……3回目は?」

「3回目は危険信号だ。星ちゃんが困難や危険に直面していることを知らせるためのものだ。でも安心して、お兄ちゃんがちゃんと星ちゃんを守るから。星ちゃんがどこにいても、必ず駆けつけて助けるよ」
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